10月は、第22巻の発売や、映画の公開と、鬼滅ファンにとっては、スペシャル月間なのではないでしょうか?
この本は、小説でもノベライズ本でもありません。
登場人物の言動や行動から、
「強い心を学ぶ」
本です。
著者は、井島由佳さん。大学の助教で、心理キャリアカウンセラーです。
強靭な心の持ち主なんて、そうそういないでしょう?
むしろ、些細なことでつまずいたり傷ついたりする人の方が、多いのではないでしょうか?
主人公の炭治郎だって、最初からあのような強い心があったわけではありません。
炭を売って、平穏・幸せに暮らしていた少年が、ある日突然、鬼に家族を惨殺されてしまいます。
彼は、今まで握った事のない刀を手に、鬼殺隊に入隊し、剣士となります。
唯一、生き残ったが鬼になってしまった、大切な妹を人間に戻すため、です。
物語をそのまま現代に当てはめるのは、少々強引かもしれませんが、
(時は、大正時代だし、親子が鬼に襲われ殺された、というシチュエーションは、2020年の世の中では、ちょっと考えにくいですよね)
しかし、読んでいくと「あっ!」と思うところがたくさんあります。
例えば、鱗滝さんは「妹が人を喰ってしまったらお前はどうする…」と、尋ね、即答できない炭治郎に平手打ちします。
「今の質問に、間髪入れず答えられなかったのはなぜか?お前の覚悟が甘いからだ」
と、続きます。
そう、
「覚悟」
です。
井島さんは、覚悟のことを、
「認識」
という言葉に置き換えています。
「自分ではしっかりわかっているつもりでも、本当のところはわかっていない」
「自分のことを理解しているようで、全く理解できていない」。
自分のことには、気づきにくいものです。わかっている「つもり」にならないように、気を付けたいものです。
それから、この本の中で、鬼は、
「利己主義の塊」
「やってはいけない悪いお手本」
と表現されています。
また、
「鬼は結果だけにこだわり、弱者を切り捨てる」
とも、表現されています。
私も、
「結果だけにこだわり、ついてこられない者、実力が足りない者をすぐに切り捨てる」
ような会社を知っています。
組織なので、鬼(無惨)のように、最後は「たった1人」ということはないでしょうが、離職率が高い会社であることは、間違いありません。
もちろん、特にビジネスにおいては、結果は必要です。
しかし、その「結果」にこだわりすぎるのは、いかがなものかと思います。
「恐怖で支配する組織は、いつか破綻するものなのです」。
最後に、途方もないような事実に面したとき、人は、どのように乗り越えようとするのでしょうか?
22巻での無惨との闘いの中で炭治郎は、
「縁壱さんや父さんのような才覚が俺にはない」
「自信を失う理由がよくわかる」
「縁壱さんですらできなかったことが自分にできるだろうか」
無惨との闘いは、まさに、「自信を失う理由がよくわかる」ほど、途方もない闘いです。
しかし、
「それでも俺は
今自分にできることを精一杯やる」
「心を燃やせ」
「負けるな」
「折れるな」
と、自らを奮い立たせ、無惨に立ち向かっていきます。
長い人生の中で、迷い苦しむことって、たくさんあります。
でも、炭治郎のように、少しずつでもいいから、
「今自分にできできることを精一杯やる」
「心を燃やせ」
「負けるな」
「折れるな」
と、進んでいける強い心を持ちたいですね。
鬼滅ファンもそうでなくても、1度読んでほしい1冊です。
ご覧いただきましてありがとうございました(jannemammy)